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ホームスペシャルトピックスインタビュー「浜松初・サーフィン国際大会での新たな試み」

インタビュー「浜松初・サーフィン国際大会での新たな試み」 2025.03.30

左から地元プロサーファーの刑部さん・竹内さん・三浦さん

〜Cross of the waves〜 浜松初のサーフィン国際大会と 多彩なアーバンスポーツがセッションする ビッグフェスを2025年5月に開催!

2025年5月21日(水)から25日(日)まで、浜松市の遠州灘海浜公園でサーフィンの世界大会が開催されます。ワールドサーフリーグ(WSL)公認の大会としては浜松初となるこの国際大会と同時に、複合型フェス「HAMAMATSU OPEN JAM vol.1」も展開。サーフィンだけでなく様々なジャンルのアーバンスポーツが交わる新しい形のイベントに期待が高まっています。大会の主催者と地元のプロサーファーたちに話を聞きました。

DSC_0715.JPG左から                                                                                                    HAMAMATSU OPEN ORGANIZATION 事務局長 金原圭吾さん                                                                  HAMAMATSU OPEN ORGANIZATION 理事長 加藤直樹さん                                                                                                                                         JPSA公認プロサーファー 三浦涼さん(27歳)                                                                         JPSA公認プロサーファー 竹内克斗さん(22歳)                                                                 JPSA公認プロサーファー 刑部樹真さん(21歳)                                                                          ※JPSAとは一般社団法人日本プロサーフィン連盟(Japan Pro Surfing Association)の略称

DSC_0708.JPG今回のイベント「HAMAMATSU OPEN JAM vol.1」はどのような経緯で実現したのですか?

加藤 僕はサーフショップ「grassgreen SURF GARAGE(グラスグリーン サーフ ガレージ)」のオーナーとて、これまで地元の海で様々なサーフィンイベントを開催してきました。そうした積み重ねがあって、1年ほど前にWSLから「浜松で国際大会をやれないか」という話を持ちかけられたんです。今回の大会は、最高峰の舞台であるチャンピオンシップツアーの出場権をかけて、世界を転戦しながら得点を競う「クオリファイングシリーズ」の一つ。ロングボードとショートボード、キッズ部門の競技に、アジア各国から男子約200人、女子約100人のトップ選手が出場します。

本大会の開催に向けて、これまで浜松市と協議を重ねていく中で、単なるサーフィン大会ではなく浜松のまちづくりにつながる企画にしようと、このイベントを開催することになりました。

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金原 サーフィンは東京オリンピックから競技種目に選ばれて以来、少しずつ注目が高まっていますが、一般の方々がサーフィンを観に海へ行くことはほとんどないのが現状です。サーフィン単体でイベントを開催しても、サーフィンに興味を持つ特定の人しか集まりません。そこで、複合イベントにすればサーフィンに興味がない人にも足を運んでもらえるし、サーフィンに興味を持つきっかけになるのではないかと考えました。大会期間中は、遠州浜と凧場公園エリアで、スケートボード、ダンス、バスケットボール、ビーチサッカー、キックボクシング、マーケット、防災キャンプ、モトクロスサイクル、ミュージックなどの体験会や音楽フェスを開催します。多彩なジャンルのイベントを併催することで、相乗効果が生まれることを期待しています。

加藤 この企画は地元のサーファーたちにとっても大きな意味があります。このエリアには現在、男子4人、女子1人のプロサーファーがいて、僕たちは彼らがより活躍できる舞台を作りたいという思いを常々抱いていたんです。慣れ親しんだ地元の海で世界大会が開催されることは、彼らにとって大きなチャンスになります。さらに、大会当日に他のジャンルとセッションすることは、サーフィン文化をより多くの人に知ってもらう絶好の機会だと思います。

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三浦 実は、サーファーたちの間では浜松はサーフィンの穴場といわれ、県外からサーフィンをしに来る人も多いんです。また、僕の子ども時代に比べると、最近は小学生のサーファーが増え、放課後に海に行くと同じ年代の子がたくさんいて、切磋琢磨できる環境になってきました。でも、地元ではまだそのことがあまり知られていません。ですから、このイベントをきっかけにより多くの人にサーフィンの楽しさを知ってもらい、「やってみたい」と思う子どもたちが増えることを願っています。

プロのサーファーにとって、今回の国際大会はどのような意味があるのですか?

三浦 今回の大会では、中国やインドネシア、オーストラリアなどアジア各国の選手が浜松に集結します。大会はQS2000というグレードで、優勝すると2000ポイント獲得できます。このポイントは年間ランキングに反映され、上位に入ると来年のチャレンジャーシリーズに出場できるチャンスを得られます。

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そもそもプロサーファーの皆さんがサーフィンを始めたきっかけは何ですか?

三浦 僕は7歳頃からサーフィンを始めたので、サーフィン歴は20年になります。始めたきっかけは、父親がサーフショップを地元で経営していたからです。週末になると海に行くのが常で、最初は親にやらされているという感じでしたが(笑)、気づいたら夢中になっていました。試合に出場始めたのは小学3年生からで、4年生の時に初めて全国大会に出場しました。

竹内 僕も親がサーファーだったのがきっかけで、7歳頃からサーフィンを始めました。週末に親が海に行くから一緒に行くという環境で、いつの間にか自分もサーフィンをやっていたという感じです。中学3年生から高校1年生の頃までサーフィンをやめていたんですが、サーフィン仲間の活躍ぶりに刺激されて高校2年から再開したんです。ちょうどコロナの時期と重なって大会が開催されない時期もありましたが、19歳でプロ資格を獲得しました。

刑部 僕も両親がサーファーだったのが始めたきっかけです。同級生の友だちが放課後に公園で遊ぶのと同じ感覚で、学校が終わると母が迎えにきてくれて、そのまま海へ向かうという毎日でした。試合は小学4年生頃から出場し始めて、18歳でプロになりました。竹内くんとはサーフィンを始めた時期が同じで、ずっと一緒にやってきた仲間です。

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浜松のサーフィン環境の魅力は何ですか?

三浦 遠州灘は広いので、場所によって様々な波を楽しめるのが魅力です。人混みが苦手な人向けの場所もあるし、みんなでワイワイやるのもいいし、自分に向いた場所を選べるのがいいですね。だから、僕たちもそれぞれいろんな場所で練習しています。僕は中田島方面で練習することが多いですが、竹内くんや刑部くんは舞坂や潮見坂方面が多いですよね。

刑部 そうですね。浜松の海はどこも波がいいし、ビーチも広いし、サーフィンをするには最適な環境だと思います。それに、浜松は市街地と海が近いから、宿泊施設や飲食店も充実していて便利ですよね。他の海沿いの地域は飲食店が少ないうえに、早い時間に閉まってしまう場合が多いですが、浜松なら街まで行けばいつでも食事ができるので、海外や県外から訪れる選手たちも滞在しやすいと思います。

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サーフィンの魅力はどんなところですか?

三浦 サーフィンは、いろんな世代、いろんな職業の人と出会えて、人との関わりが豊かなスポーツだと思います。海に入れば年齢に関わらずみんな平等で、お互いフレンドリーに接するのが当たり前なんです。学校生活では体験できないようなコミュニケーションを子どものうちから学べるのがいいですね。

竹内 サーフィンをやっていると、子どもの頃から大人と会話する機会があるので、僕はそのおかげでコミュニケーション能力が確実に伸びました。それに、小さな子どもからシニアまで、年齢に関係なく楽しめるのもサーフィンの魅力だと思います。

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普段から仲の良い皆さんが、今度の大会ではライバル同士として競い合うことになりますね。大会への意気込みを教えてください。

刑部 僕は、慣れていない場所での大会だと緊張して体が固まってしまい、競技時間内に自分のサーフィンをすることが中々できなかったんです。でも今回は慣れ親しんだ地元の海が舞台なので、リラックスして大会に臨めると思います。だから今度の大会では、自分のサーフィンをやってファイナルに残り、トップに立つことが目標です。

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竹内 僕は、出場するからには「優勝」しかないと思っています(笑)。地元での開催なので、友人やサーフィン仲間など、いろんな人たちが「応援に行くね」と声をかけてくれます。だから、単に優勝を狙うだけでなく、応援に来てくださった人たちをワクワクさせる勝ち方をしたいですね。サーフィンの試合で一番重要なのは会場の波に順応することですが、ここは僕たちのホームグラウンドなので波も読みやすいし、試合の2ヶ月ほど前から現地で練習もできる。アドバンテージがいっぱいあるので、自信があります。

三浦 本大会の会場は、僕が子どもの頃からサーフィンを始めた慣れ親しんだ中田島のビーチなので、必ず優勝して、その景色を家族や教え子たちに見せたいです。それに向けて今できることをコツコツやるしかありません。地元の期待を背負うことになるのでプレッシャーも多少感じますが、プレッシャーをパワーに変えて頑張りたいですね。大会当日が今から楽しみで、ワクワクしています。

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最後に事務局長の金原さんに伺いますが、大会を運営する側としてはこのイベントをどのように発展させていきたいですか?

金原 私たちの目標は単にサーフィン大会を開催することではなく、「HAMAMATSU OPEN JAM vol.1」を通じて浜松のまちづくりに貢献することです。この活動を通じて地域の活性化に貢献し、現在79万人の浜松市の人口を80万人に戻し、さらに90万人、100万人と増やしていければ、地域の雇用促進や空き家対策、経済発展など、多くの好循環が生まれるでしょう。今回の大会では、サーフィンという文化を軸に多様なジャンルが交わり、浜松の新たな魅力を創出する可能性を秘めています。このビジョンに賛同し、浜松の企業の皆様に本大会や地元のプロサーファーたちをご支援いただくことが、結果として浜松の発展につながり、個々の事業にも好影響をもたらすと確信しています。私たちは今後、これらの構想を必ず具体的な成果として形にしていきますので、ぜひご協力をお願いします。

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